日本国際親善協会教育部の更井です。昨年から今までの一年間の活動を報告いたします。
私は一年間を通じて、ベトナム現地で日本語を学習している技能実習生等に向け、日本語教育と日本文化の普及に努めました。主にAUCO日本語教育センター(ハノイ市)やTHASENCO日本語教育センター(ハティン省)で活動を行い、学生たちの日本企業への就職機会を広げることに貢献しました。(派遣期間:2023年7月15日〜2024年7月13日)
ベトナム派遣が決まったのは2023年1月。日本語教師として正式に認定されるために、2023年の4月〜大学において規定の単位を修得しながら準備をしてまいりました。ベトナム生活への期待と、「私に出来るのだろうか」という不安がありましたが、日本語教師としての責任の重さを感じ身が引き締まる思いで必死に勉強しました。ベトナムへ派遣された後の仕事と大学の課題(レポートや教育実習)の両立はとても大変でしたが、日本語教師として必要な規定の単位を無事に取得することができました。
ベトナム入りした後の一年間の活動の中で感じた、現地で日本人による日本語教育の意義等や期待について以下にまとめました。また、活動内容の詳細については、以下のファイルやホームページ内の過去の記事「Sahraのブログ〜ベトナム滞在記」をご覧ください。
ちなみに、一年間のベトナム生活の思い出、HPに載せていないたくさんの楽しい出来事については写真と共に別途UPするつもりです。
現地での日本語教育の意義について感じたこと
相互理解と平和の促進
言語教育を通じて異文化理解が深まり、国際的な友好関係を築くことができます。これは地域の平和と安定にも貢献する重要な活動です。
日本語教育の意義
ベトナムにおける日本人による日本語教育は、単なる言語教育にとどまらず、文化交流・経済発展・教育の質向上、そして平和構築に大きく貢献しています。日本人から学ぶという意識は生徒の心に大きく影響し、教師自らが努力する姿を見せることも重要です。こうした多面的な意義が日本語教育の重要性を裏付けています。
正確で自然な日本語教育の提供
日本人教師はネイティブスピーカーとして、正確な発音や自然なイントネーション、適切な文法と表現を教えることができます。
日本文化の直接的な伝達
日本人教師は自身の体験や知識を通じて、日本の文化、慣習、歴史を直接伝え、教科書では得られない深い理解を生徒に提供します。
日本語教育の効果と期待
生徒たちの意欲と成長
ベトナムの若者たちは非常に学ぶ意欲が高く、日本語を学ぶことに情熱を持っています。授業以外にも自主的に学習時間を確保し、積極的に質問をしてきます。この姿勢は教師にとって大きな喜びであり、やりがいです。私が派遣されていたハノイのAUCOカンパニーではこの一年間で120名ほどの生徒を日本へ送り出しています。私はその中の一部の生徒たちとSNSなどを通じていまも交流を続けています。日本での生活の様子をビデオ通話やチャットで知ることができ、生徒たちの日本語能力の向上を実感しています。
ベトナム人教員の専門性向上と生徒との積極的な交流
ベトナム人教師向けに勉強会を定期的に開催しました。教師間の交流を通じて教授法や知識など教育の質の向上も期待されます。また、学校内だけでなく積極的に生徒との会話の機会を増やし、日常生活における円滑なコミュニケーションに繋げます。日本へ行っても文化の違いに戸惑うことなく地域に溶け込めるよう期待しています。
結びに
コロナ禍以降、オンライン授業の重要性が増しています。また、学習者の背景や目的も多様化しており、それぞれのニーズに合わせた教育が求められます。今後、効果的なオンライン教育を実現するための技術的な知識や教材の開発などにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。また、ベトナムと日本を結ぶ『越日友好協会』の設立(”ゼロフィー”を推める上で需要なプラットホーム)に向け、基盤づくりとしての交流を引き続きおこなっていきたいと思っています。
日本語教師は変化に合わせて臨機応変に対応することや、新しいことにチャレンジし努力することが大切です。また、常に正しい・きれいな日本語を使うことや、未習語彙などに配慮し言葉のコントロールを常に意識する必要があります。とても難しい仕事なのですが、体力と向上心がある限り年齢に関係なくできる仕事です。機会があればライフワークとして時折ベトナムに赴き再度活動をしたいと思っています。
現地での生活サポートやビザ申請をしてくださったハノイAUCOカンパニーのアイン社長、ハティン省での宿泊先を提供してくださったハティン省のTHASENCOカンパニー、ソン社長、そして各社スタッフの皆様に心より感謝申し上げます。
この一年間、多大なるご支援とご指導をいただき、みなさまに心より感謝申し上げます。どうもありがとうございました。