先日、ベトナム ハイフォンにあるASV日本語センターに出張しました。
ハイフォンは、ベトナムの主要都市の1つで、国内で3番目に大きい港湾都市です。産業、経済、文化、教育、医療などの中心地でもあります。ハノイから東にリムジンバスで約1時間半ほどの距離に位置しています。鉄道で行くこともできます。
ASV社は以前からJIFA会長や理事長も訪問したことがあり、繋がりのある会社です。
ASV日本語センターでは現在、N5、N3対策コース、中学生コース、子供クラスが提供されています。私は特に興味があったN3コースと子供コースを見学させていただくことになりました。
まず、N3コースではJLPT N3合格を目指すための短期集中カリキュラムがあります。授業の冒頭はアプリを使用した楽しいクイズ形式で始まり、学生たちはスマートフォンでログインして活発に参加します。ランキングが発表されることでさらに学習意欲が刺激されます。
その後は語彙の教科書を使ってテンポよく授業が進みます。N3対策のため、決められたカリキュラムを時間内に進める必要があり、無駄な会話は抑えられています。
クラスの雰囲気は私がハノイで教えている技能実習生のクラスとは異なり、厳しい規律は特に感じず、学習塾のような印象を受けました。
授業では、生徒個別に当て正解を言わせるのではなく、分かった生徒にどんどん発言させ、授業はとてもスピード感のある進行です。
このクラスでは、日本語で直接指導する「直接法」ではなく、ベトナム語での説明が効果的であると感じました。N3学習レベルになるとすでに日常会話がある程度理解できています。教師がベトナム語でしっかり解説することで文法などをより深く理解できるのだと思います。
また、教師が「漢字を忘れた!」という演出を通じて生徒に漢字の書き方の説明を促す手法に興味を持ちました。
翌日は、子供コースの2つのクラスを見学しました。子供たちは日本語学習を始めたばかりとのことですが、自己紹介や手遊び歌、色や数字、計算を日本語で説明する課題にとても真剣に取り組んでいました。
子供クラスの教え方は、「文型積み上げ式」の学習スタイルとは異なり、身近な生活の中で使用することから学んでいくやり方が特徴です。
例えば、「〜が好きです」という表現は、通常の日本語教材(たとえば「みんなの日本語」など)では初級のある程度進んだタイミングで学ぶところが多いと思うのですが、子供たちはわずか数回目の学習でこれを理解しています。言葉を楽しみながら必要な表現をどんどん覚えていくスタイルには感心しました。
このようなアプローチが、学習意欲を持続させ、生徒たちが飽きずに学習を進めることにつながるのではないかと思います。
注意音が出ます
最後は、七夕イベントを2つのクラス合同で行いました。生徒たちは七夕の意味や天の川を作るゲームを通じて新しい文化を楽しんでいました。このような文化的な体験は、日本への興味を深め、学習意欲を高める助けとなっています。
今回の訪問を通じて、新たな指導法や子供たちの学習姿勢に感動しました。限られた時間の中で充実した経験を得ることができ、また次の機会にも訪れたいと思っています。